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これらの項目に心当たりのあるマンションは、管理費用・修繕積立金が将来的に不足する可能性があります。
上記であげたそれぞれの項目が、何故赤字マンションにつながるのかを説明します。
マンションの修繕費の中でも、思いの外コストアップ要因となりがちなのが機械式駐車場。
年間維持費用は1台分につき10,000~12,000円程度で、それが台数分かかりますし、耐用年数は25~30年といわれ新品のパレットと交換すると1パレット100万円ほど。
50台分の駐車場なら5,000万円の修繕積立金を用意しておく必要があります。
マンションの戸数にもよりますが、小規模マンションで機械式駐車場がある場合は、将来的に赤字マンションになる可能性が高いと思ったほうがよいでしょう。
駐車場の管理運営収支という意味では、日常的な維持管理費用だけでなく、修繕積立金の振替や空き発生なども加味して、別会計としておくのが正解。
ところが、実際には管理費会計に繰り入れている管理組合も多く、機械式駐車場の更新といった大きな出費があると、修繕積立金全体のマイナス要因になってしまいます。
分譲する時はマンション全戸分駐車場が用意されているのは当然というイメージもありますが、維持管理や将来の修繕積立金という面で見ると、空きスペースの発生がマイナスに作用することも知っておく必要があります。
マンション駐車場の契約率は8割以下ともいわれ、それをベースに修繕積立金を含めた収支を立てておくのがいいでしょう。
住人がいたとしても、修繕積立金を全員がきちんと収めてくれるわけではありません。
ところが、6ヶ月以上滞納するケースも稀ではなく、管理組合としても取り立てのようなことをするのは簡単ではありませんし、精神的な負担にもなります。
また、住人の入れ替わりも中長期的には発生しますが、1年以上の空室があるようなマンションは修繕積立金も当初の見込みを下回るリスクもあるでしょう。
修繕積立金を本来の目的外である管理費会計に振替してしまったことがあるマンションだと、既に赤字マンション。
管理費会計の計画運営がしっかりできていなかったといわざるを得ません。振替えた修繕積立金は、どこかのタイミングで積立金を値上げしなくてはいけなくなります。
マンションの修繕積立金が不足するような事態に陥らないためには、まず管理費用の見える化と最適化が必須条件。
その上で、区分所有者全体で問題意識を共有しておくといいでしょう。
一方、管理組合にしてみれば手間もかかるし、いろいろな意見を言うヒトもいて、簡単に物事を進められないのも現実。
そうした場面では、情報をオープンにすることと会計管理を細かく行っていることが信頼につながりますし、批判もしにくくなるもの。
そして、自分たちのマンションが抱える問題は全員で解決するんだという意識を持てれば、ムダなコスト削減も進めやすくなります。
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